最終更新日 2024年10月24日
いわゆるツケである売掛金
上場企業の決算書を見ると、資産の部に売掛金という名前で金額が計上されています。
掛けという言葉からイメージできるように、これは、売り上げたけどまだ代金が回収できていない分の金額ということになります。
あるいは、支払う方から考えれば、ツケにしてもらっているということができます。
何かものを買えばお金を支払うのが普通ですし、売ればお金をもらうのが普通ですが、企業間の取引ではその場でお金を払うというのはむしろ例外的です。
商取引は毎日のように行われているため、その度に代金を精算するのではなく、一月分などとしてまとめて代金を請求し、請求された側はその金額を支払うという取引が行われています。
売掛金という形態が一般的になった理由とは
どうしてこのような取引形態が一般的になったのかというと、その都度代金の支払いと回収をおこなうのは、常に多額の現金を持ち歩く必要があり現実的ではないこと、また取引金額の多い相手先にはリベートとして一定割合の請求金額を減額するという慣習があり、そのためには毎月の請求金額を集計する必要があること、さらには税務署に対して売上金額と支払金額を明確化する必要があり、代金の回収を相手先ごとにはっきりさせるためには一番効率的な方法であることといった理由があります。
売掛金が多くある会社は、売上金額が多く計上されたということであり、近い将来に預金残高が増えることとなります。
会社にとっては、いずれ預金にかわるため資産の部に計上されるのです。
しかしながら、相手先の状況によっては、請求をしたからといってすんなりと代金の回収ができるとは限りません。
当然、資金繰りの厳しい会社と取引する場合には、できるだけ回収リスクを負わないように相手先の状況を注視することになります。
売掛金は回収してはじめて資産になる
ただ、ある日突然それまで取引していた相手先からの代金の回収が難しくなることもあります。
そうなると、売掛金は価値のある資産ではなく、その金額は会社にとってはただの損失となってしまいます。
それまで費やした人件費や経費も回収することはできなくなるのです。
第三者的な立場からある会社の決算書を見たときに、売掛金の金額が極端に増えていた場合、売上の増加があればそれに伴う増加であるということができますが、仮に売上金額が増えていないのに売掛金の金額が増えていたとすると、回収がうまくいっていないとか、大口の取引先が倒産したなどというリスクが差し迫っていることが考えられます。
資産の増加ということで単純に喜んでいい場合だけではない、ということに注意して決算書を見るようにしてください。
※売掛金買取りより引用